"ひらがな"の『い』を、やわらかく朗らかに書くためには?
書道見習いの"てと"です。
誰でも字が上手になるお習字講座、
今回は、ひらがなの”い”の解説を致します。
"い"は"あ"と比べると、そこまで複雑な字ではないです!
そのため、書道が苦手な方は”い”から練習を始めるのも良いかもしれません。
解説動画も参考にしてください!
”い”の概要
”い”は2本の縦向きの曲線から成りますね。
この向かい合う2本の線が柔らかく呼応し合うことがとても重要です。
”あ”の解説でも述べましたが、ひらがなは曲線美がとても重要です。
”い”を単に直線で書くのではなく、外側に膨らむように柔らかく書くことで、
朗らかで優しい印象を与えることが出来ます。
また、上の画像では1画目と2画目の間に丸を設置しました。
これを見ると分かりやすいかと思いますが、1画目と2画目の間を広くとりましょう!
それによって、字にゆとりや余裕が生まれます。
大まかなポイントは以上です。
これより、もっと細かいポイントを解説します。
筆脈
筆脈って何かご存じですか?
「次の点画に移る際、筆意を途切れさせず、つながりを持たせること」を筆脈と表現します。
”い”に限らず、書において基本中の基本ですが、筆脈を大切にすることがポイントです。
1画目のはねで、何も考えずに適当にはねるのではなく、
2画目に向かってはねることで、1つの字の中でもまとまりが生まれます。
もし、筆脈を意識しなかったらどうなるでしょうか?
悪い例と比べてみましょう。
筆脈を意識すると、筆の意識が途切れないため、字がより自然に美しく見えるかと思います。
はね
はねの際に、筆脈を意識することはお分かりになりましたね?
次は、どうすれば綺麗にはねることができるのか解説します。
4コマの画像にまとめたので、そちらをご覧ください。
ポイントは大きく分けて2つあります。
まず、はねる前に力を込めて止めること。
この「力を込める」動作が非常に重要です。
はねでは、止まった時に込めた力を、少しずつ発散させるように抜いていくことで綺麗に収束します。
そのため、ちゃんと止まらずにはねようとしたり、力を込めなかったりすると上手く行きません。
(もちろん、力の込めすぎもNG)
どれぐらいの筆圧が最適か、コツを掴むまでは難しいと思いますが、
意識して練習すると、感覚的に理解できる時が来るので、練習してみてください!
2つめのポイントは、はねの際は穂先を外側に残し続けて、筆の腹を徐々に持ち上げるということです。
(穂先や腹は、筆の部位のこと。画像を参考にしてください)
これは、"はらい"でも重要なポイントですが、一瞬で筆を持ち上げると綺麗にとがった線は生まれません。
筆の穂先は一番最後まで紙と接し続け、その一方で筆の腹側が少しずつ紙と離れることで、綺麗に尖ったはねが書けます。
はらいとの違いとしては、はねは一度止まった際に込めた力を利用することです。
少し勢いを込めて、速く筆を進めるという点がはらいと異なります。
そのため、はねは力強い印象を与えます。
はらいのコツは”あ”の解説の前編で述べたので、そちらも参考にしてください!
2画目
2画目のポイントは2つあります。
1つ目は始筆の位置です。
”い”の2画目の始筆の位置は、結構人によって違ったりします笑。
そのため、絶対ではないのですが、1画目と2画目で始筆の高さを揃えると綺麗になります。
(1画目より少し上と教える方もいるので、学校や書道教室のご指導に合わせてください。)
2つめのポイントは、2画目の長さについてです。
2画目は、1画目と比べて、かなり短いという点を忘れないようにしましょう!
”い”の解説は以上です。
もし私の解説を見て、もっと書を学びたくなられた方は
是非書道教室へ足を運ばれることをお勧めします。